2019-10-11

シュリンキングシティ再考|日独国際セミナー(京都)

シュリンキングシティ再考
~人口変化のパターン・地域での多面性の多層のガバナンス~

|イベント名称:シュリンキングシティ再考|日独国際セミナー
|開催日:2019年10月11日(金)・12日(土)
|会場:龍谷大学響都ホール(11日) 、 龍谷大学・深草キャンパス(12日)

議事録全文(PDF形式)(*第1、第2、第3セッションの内容を含む)
実施経過および セミナーのテーマとプレゼンター (PDF形式)

第1セッション:イニシアチブとイノベーション

コーディネーター:吉田友彦
|発表:大谷 悠Steffen Praeger加登 遼
|パネル・ディスカッション

議事録(PDF形式):第1セッション:イニシアチブとイノベーション

第2セッション:縮小から再成長へ

|コーディネーター:服部圭郎
|発表:阿部大輔Heike LiebmannJan Polivka
|パネル・ディスカッション

議事録(PDF形式):第2セッション:縮小から再成長へ

第3セッション:概念的課題

|コーディネーター:藤井康幸
|発表:Katrin Grossmann黒瀬武史Thio Lang
|パネル・ディスカッション

議事録(PDF形式):第3セッション:概念的課題

第4セッション:計画政策と手法、統計的展望

|発表: Anja Nelle ( アンジャ・ネレ )、Nikolai Roskamm (ニコライ・ロスカム)、 Tim Leibert(ティム・レイバート)、Manuel Wolff(マニュエル・ウォルフ

第5セッション:移民と再成長

|発表:Manfred Kühn(マンフレッド・クーン)、Maria Budnik(マリア・ブドニク)、 Annett Steinfuehrer(アネット・シュタインフューラー)

セミナー報告

シュリンキングシティ再考
~人口変化のパターン・地域での多面性の多層のガバナンス~

報告者:服部圭郎(龍谷大学政策学部)

2019年10月11日(金)、京都駅前の響都ホールにて日本・ドイツの研究者による国際セミナーが開催された。そのテーマは「シュリンキングシティ再考-人口変化の新パターン・地域での多面性と多層のガバナンス」。人口減少は地域的にも時間的にも一直線で類似的ではないことが明確になりつつある。そのような中で、さまざまな地域での多様な縮小の進展状況、その違いが生じる背景、そしてそれらへの対策、を明らかにし、共有することを本セミナーは目的とした。また、本セミナーの日独の代表者・主要参加者が2014年以来、実施してきた共同研究を、セミナー以後も発展させ、シュリンキングシティに関わる国際的な研究ネットワークの構築を進めるための大きな契機となることをもねらいとした。

日本側参加者には、シュリンキングシティに関わる研究を進め、近年博士学位を取得した若い研究者を含め、貴重な研究発表をする経験を提供できることを意図した。また、ドイツ側参加者にも多くの若手研究者が含まれており、将来、これを機に日独での共同研究が展開していくことが期待できるような人選をした。これが、本セミナーの取り組みの特色の一つである。

本セミナーでは次の事項について、成果を得るように留意した。

日独におけるシュリンキングシティに関する研究、政策動向・論点の整理、特にドイツでは移民政策との関連に着目。
日独における人口減少都市や地域の変化する空間形態構造の比較考察。特に、人口集積規模による違いに着目。
日独におけるシュリンキングシティに対する都市計画・都市政策の比較。特に、ドイツのシュタットウンバウ政策の発展と再成長都市の特性や「間にある都市」・郊外のあり方に着目。
空き家・空きビル等の人口減少・都市変化に対応した都市資産の実態と対応策の比較検討。特に公共空間のあり方やジェントリフィケーションに着目。
シュリンキングシティに対する多様なガバナンス(公、民、非営利)の事例、実態の理解。特に地域における社会的分断や持続可能性に着目。
今後の研究交流の継続と研究ネットワークの形成への共通理解と体制のありかたなど。
当日は10時30分開演で午前に1つのセミナー、午後に2つのセミナーを行った。午前中のテーマは「シュリンキングシティの形成と展開」で、コーディネーターは立命館大学の吉田友彦教授が務め、武庫川女子大学の嘱託助手である加藤遼氏、ドイツはライプツィヒで「日本の家」というコミュニティ・ハブを仕掛けた東京大学新領域創成科学研究科の博士後期課程の学生である大谷悠氏、そしてドイツはエアフルトでザリネ34という空き家再生事例を成功させたエアフルト市議会議員であるシュテファン・プレーガー氏がパネリストとして発表し、最先端の縮小政策・縮小問題の事例・情報の共有が為された。

午後の最初のテーマは「縮小から再成長へ」でコーディネーターを龍谷大学政策学部の服部圭郎が務め、同じく龍谷大学政策学部の阿部大輔教授、アーヘン工科大学のヤン・ポリフカ准教授、チューネン研究所のアネット・スタインヒューラー研究員がパネリストとして発表し、縮小していた地域が再生の手がかりを得た興味深い事例・情報を発表してくれた。

そして二番目のテーマは「縮小都市における概念的課題」でコーディネーターを静岡文化芸術大学の藤井康幸教授が務め、エアフルト大学のカトリン・グロスマン准教授、九州大学の黒瀬武史准教授、ライブニッツ地域地理研究所のティオ・ラング研究員がパネリストとして発表し、縮小都市において威厳が損なわれるといった仮説の検証など、縮小都市に伴う興味深い課題についての研究発表が為された。

これら3つのセッションから、縮小都市という政策的課題が極めて多彩で、多様な側面での課題を有しており、従来のようなトップダウンでの画一的施策では、あまり効果が期待できないことや、縮小時代においては需要喚起型の政策がほとんど意味を持たず、むしろ新たな価値を創造するようなアプローチこそが有効であることなどが参加者内では共有された。

最後に龍谷大学の白石副学長から閉会の挨拶がなされた。

 10月12日のセミナーの参加者は151名。そのうち、セミナー関係者以外は125名。龍谷大学関係者が52名、立命館大学関係者が25名とパネル・ディスカッションのコーディネーターを務めた二人の所属大学からの参加者が多かったが、それ以外でも48名が参加するなど、総じて盛況であったのではないかと推察される。ドイツ政府の補助金で同時通訳を雇うことができたが、これが一般参加者の増加に寄与したのではないかと考えられる。

 また、当初は翌日の10月12日(土曜日)に名古屋の名城大学なごやドーム前キャンパスでセミナーが予定されていたのだが、台風のために会場が使用できなくなったため中止した。その代わりに、同日に京都の龍谷大学(深草キャンパス)で、一般聴衆無しのワークショップとして、ドイツからの7名の報告を実施した。
(服部圭郎)

セミナー2日目
龍谷大学・深草キャンパス

 当初予定していた、翌日の名古屋市・名城大学でのセミナーが、台風19号の接近、上陸のため、会場の使用ができなくなった。そのため、急遽、龍谷大学の深草キャンパスで、日本人のパネラーを除き、ドイツ側は予定通りのプレゼンテーションを実施した。

10月12日 龍谷大学(深草キャンパス) で行なわれた、2日目の発表の模様。
2日目のプログラム「第4セッション」「第5セッション」のワークショップが開催された。

第4セッションの概要

Dr. Anja Nelle, ISF
The restructuring-programme „Stadtumbau Ost“ A Policy tailored to address Urban Shrinkage

Prof. Nikolai Roskamm, FHE
Stadtumbau Ost, policies, practice, reflection

Dr. Tim Leibert, IfL
Return migration in rural areas and small cities

Dr. Manuel Wolff, HUB
Demographics and regional change, quantitative spatial assessments of shrinkage and growth in international perspective

第5セッションの概要

Dr. Manfred Kühn, IRS Erkner
Reurbanisation of shrinking Cities: Local Growth policies in Bremen and Leipzig, Germany, Towards Urban Regeneration? Planning Strategies of shrinking Cities in East Germany, Immigration – a new policy field for shrinking Cities?

Maria Budnik, FHE, 
Stabilisation of small cities through international immigration

Dr. Annett Steinführer, Thünen Institut
Demographic change, small cities and rural areas in decline, civic engagement and basic service provision, double aging

2日目は、ドイツからの7名の研究者が発表を行なった。

発表者プロフィール

大谷 悠

NPOライプツィヒ「日本の家」共同代表

2010年千葉大学工学研究科建築・都市科学専攻修士課程修了。同年渡独。IBA Lausitzにてラオジッツ炭鉱地帯の地域再生に関わる。2011年ライプツィヒの空き家にて仲間とともに「日本の家」を立ち上げる。ポスト成長の時代に人々が都市で楽しく豊かに暮らす方法を、ドイツと日本で研究・実践している。(Wireless Wire News HPより)

研究業績
大谷 悠、岡部 明子(2018)「ライプツィヒにおける〈暫定緑地〉の整備とその後の展開 人口減少により将来の不確定性が高まった都市を再編する役割に着目して」『日本建築学会計画系論文集』751、pp.1715-1723
大谷 悠(2014)「最新トレンド紹介「不動産」を市民に取り戻す:~縮小都市ライプツィヒと公益的 不動産事業「ハウスプロジェクト」~」『日本不動産学会誌』28、pp. 98-99

ステファン・プラガー

Steffen Praeger, Plattform e.V./ Saline 34代表

エアフルト大学において、コミュニケーション学と社会科学を学ぶ。2006年よりフリーランスの社会的事業に関するコンサルタントとして働いている。2008年よりNGOである“Plattform“の代表、CEOを務めている。2017年より、エアフルト応用科学大学において講師と研究員として勤務している。ここ10年間の実践、研究は、実験的な社会文化的プロジェクトの実践、マネジメント、評価による都市の発展プロセスへの参加の可能性の追求に焦点を当てている。最近では、小都市や地方都市における都市再生プロジェクトも実践している。博士研究においては、社会文化的イニシアティブへの都市縮小と再生の過程の影響について焦点を当てている。不動産市場の変化が、社会文化的イニシアティブのための活動の役割と自由やその地域のステイクホルダーとの関係への影響を理解することを目的としている。

研究業績
Präger, S. (2012): Stadt ist Lebensraum – Jugendfonds „Ladebalken Erfurt“. In: Bundesministerium für Verkehr, Bau und Stadtentwicklung (Hg.): Jugendfonds als Instrument der Stadtentwicklung. Berlin.
Präger, S. et al. (2014): Young People Develop Empty Spaces. In: ETCP-CEU (Hg.): The City Without Funds & Opportunities From The Crisis. Brussels.
Plattform e.V. (2016): Logbuch – Gründer setzen Segel! Anleitung für ein soziokulturelles Gründerlabor. Erfurt.

加登 遼

武庫川女子大学 生活美学研究所 嘱託助手

2019年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士後期課程修了。2019年より現職。

主要業績
加登 遼、神吉紀世子(2019)「スプロール市街地における主観的街路評価からみたウォーカビリティ指標の有効性- 北大阪都市計画区域のスプロール市街地におけるスマートシュリンキングに向けて」『都市計画論文集』、54(1) pp.10-19
加登 遼、神吉紀世子(2017)「居住エリアのウォーカビリティに立脚した地域評価に関する指標の開発と検証‐北大阪都市計画区域の茨木市におけるスマートシュリンキングに向けて」『都市計画論文集』52(3) pp.1006-1013

阿部大輔

龍谷大学政策学部准教授

早稲田大学理工学部土木工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程修了、同博士課程修了。2003~2006年カタルーニャ工科大学バルセロナ建築高等研究院(ETSAB)博士課程に留学(この間、スペイン政府給費奨学生)。博士論文提出資格(DEA)取得。博士(工学)。専攻は都市計画・都市デザイン。政策研究大学院大学研究助手、東京大学都市持続再生研究センター特任助教を経て現職。(シブヤ大学HPより)

主要業績
武田重昭・佐久間康富・阿部大輔・杉崎和久(編)(2019)『小さな空間から都市をプランニングする』学芸出版社 2019年5月
矢作弘・阿部大輔(編)(2014)『持続可能な都市のかたち トリノ、バルセロナの事例から』日本評論社
阿部大輔・的場信敬(2013)『地域空間の包容力と社会的持続性』日本評論社
阿部大輔(2009)『バルセロナ旧市街の再生戦略』学芸出版社

ハイク・リープマン

Heike Liebmann

ヤン・ポリスカ

Jan Polivka, Junior Professor, Sustainable Housing Development at the Faculty of Architecture, RWTH Aachen University Deputy Head, Built Environment Research Group, ILS Research Institute for Regional and Urban Development in Dortmund/Aache

専門は都市計画。都市・地域計画をベルリン工科大学、ニューヨーク市立大学、コロンビア大学で学び、日本学をプラハ・カレル大学とフンボルト大学ベルリンで学んだ後、ドルトムント工科大学にて、空間計画の博士号を取得。研究領域は空間的、地理的、社会的な側面における住宅ストックの開発に関する政策と計画プロセス、大きく変化する社会においての居住構造のデザイン、形態学、レジリエンスについてである。最近の研究テーマは住宅市場の分析と国際比較、住宅市場間の相互作用、地方自治体、国、市民社会の住宅戦略、法令についてである。

主要業績
Hesse, Markus; Polívka, Jan; Reicher, Christa (2018): Spatially Different, Temporarily Variegated: The Study of Lifecycles as an Approach to Better Understanding Suburbia. In: Spatial Research and Planning, April 2018, Volume 76, Issue 2, pp. 149–163.
Kadono, Yukihiro; Beilein, Andreas; Polívka, Jan (Eds.) (2016-2018): Maturity and Regeneration of Residential Quarters in Metropolitan Regions − Trends, Interpretations and Strategies in Japan and Germany. Dortmund, consecutive online edition.
Polívka, Jan (2016): Maturity, Resilience and Lifecycles in Suburban Residential Areas. Dissertation, Dortmund, 248 p.

カトリン・グロスマン

Katrin Grossmann, Professor, University of Applied Sciences Erfurt, Department of Urban and Spatial Sociology

フィリップ大学マールブルクにてドイツにおける都市縮小のディスコースに関して博士号取得後、ヘルムホルツ環境研究センターにて研究に従事した後、2014年より現職。研究テーマは、ドイツにおける縮小都市とその周辺地域の人口変化、東ヨーロッパにおける大規模住宅開発の周辺地域の変化、都市開発における持続可能性に関するトレードオフ、社会的不平等・ダイバーシティ・住宅によるの隔離。

主要業績
Großmann, K., Arndt, T.; Haase, A., Rink, D. und A. Steinführer (2015): The influence of housing oversupply on residential segregation. Exploring the post-socialist city of Leipzig, in: Urban Geography.
Großmann, K., Buchholz, J., Buchmann, C., Hedtke, C., Höhnke, C., Schwarz, N. (2015): Energy costs, residential mobility, and segregation in a shrinking city. Open House International 39, 14 – 24.
Großmann, K., Bontje, M., Haase, A., Mykhnenko, V. (2013): Shrinking cities: Notes for the further research agenda, In: Cities 35, 221-225.
Großmann, K., Haase, A., Arndt, T., Cortese, C., Rumpel, P., Rink, D., Slach, O., Ticha, I., Violante, A. (2014): How Urban Shrinkage Impacts on Patterns of Socio-Spatial Segregation: The Cases of Leipzig, Ostrava, and Genoa. in: Yeakey, C.C., Thompson, V.S., and A. Wells (ed.): Urban Ills: Post Recession Complexities to Urban Living in Global Contexts. Lexington Books: New York, London, Boston, p.241-267.

黒瀬武史

九州大学大学院間環境学研究院 都市・建築学部門 准教授

専門分野は都市計画・都市デザイン。衰退した工業都市の再生や、自然災害により被害を受けた市街地の再生を中心に、都市デザイン・都市計画の分野で研究を行っている。また、民有公共空間の積極的な利用、維持管理を通した都市中心部の公共空間の形成についても、調査・研究を続けている。 社会活動としては、福岡市や静岡市清水区で継続的に都市再生・地域再生の取り組みを続けており、行政の委員会に加えて、地域の事業者や住民組織と連携した活動を行っている。(九州大学HPより)

主要業績
黒瀬武史(2018)『米国のブラウンフィールド再生: 工場跡地から都市を再生する』九州大学出版会
黒瀬武史(2015)「地区再生を意図したブラウンフィールド再生支援とその実態」、『日本建築学会計画系論文集』80 (709)、pp.651-660</td></tr><tr><td>高梨遼太朗、黒瀬武史「デトロイトにおける地区単位の積極的非都市化に関する研究」『都市計画論文集』50(3)、pp.1266-1272

シロ・ラング

Thio Lang, Head of Department, Department for Regional Geography of Europe, the Leibniz Institute for Regional Geography

専門は社会・経済地理学・計画学。ライプチヒ地域地理学研究所において、複数の地理的地域における地域・地方開発についての研究を率いている。研究課題は不均衡な地域開発、社会経済的周辺化、遠隔地期におけるイノベーション、都市・地域のレジリエンス、縮小都市への対応などについてである。

主要業績
Lang T., Henn S., Ehrlich K., Sgibnev W. (eds.): Understanding Geographies of Polarization and Peripheralization. Perspectives from Central and Eastern Europe and Beyond. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2015
Lang, Thilo: Conceptualizing Urban Shrinkage in East Germany: Understanding Regional Peripheralization in the Light of Discursive Forms of Region Building. In: Naumann, M., Fischer-Tahir, A. (eds.) 2013: Peripheralization: The Making of Spatial Dependencies and Social Injustice; Springer, Wiesbaden, 224-238.

アンジャ・ネレ

Anja Nelle, Senior researcher, Department “City, Region, Environment”, Institute for Urban Research and Structural Policy (IFS)

専門分野は縮小都市における住宅、移民の課題と可能性、小都市や村への難民の課題と可能性。ライプニッツ社会空間研究所、ブランデンブルグ工科大学、セアラ国立大学(ブラジル)、ドイツ工科大学オマーン校、フォルタレザ大学(ブラジル)、ベルリン工科大学、カッセル大学などで、15年以上の教鞭と研究の経験を持つ。また、建築、都市研究、評価のプロジェクトにおいて、チームリーダーとして7年間プロジェクトマネジメント、予算編成、評価に携わっていた。ブランデンブルグ工科大学とブラジルのセアラ国立大学との間に、都市のインフォーマル居住地における開発と住宅建設に関する長期的な国際学術協力の立ち上げを行った。

主要業績
Nelle, Anja; Großmann, Katrin; Haase, Dagmar; Kabisch, Sigrun; Rink, Dieter; Wolff, Manuel (2017): Urban shrinkage in Germany: An entangled web of conditions, debates and policies. In: Cities. Online first: 10.1016/j.cities.2017.02.006.
Nelle, Anja (2016): Tackling Human Capital Loss in Shrinking Cities: Urban Development and Secondary School Improvement in Eastern Germany.In: European Planning Studies, 24. 5, 865-883.
Nelle, Anja (2015): Verändert sich der Stadtumbau? Verortung eines vielschichtigen Begriffs in Stadtentwicklungsdebatten zwischen Wachstum und Schrumpfung. In: DisP – The Planning Review, 51.4, 52-65.

ニコライ・ロスカム

Nikolai Roskamm, Professor, University of Applied Sciences Erfurt

専門分野は計画理論・アーバンデザイン史・アーバンデザイン。ワイマール・バウハウス大学で博士号を取得後、ベルリン工科大学、ウィーン工科大学、エアフルト応用科学大学にて教鞭を執る。都市計画の分野において長年の実務経験を持つ。研究関心はアーバニズム/都市計画/都市再生/都市研究/都市空間理論/政治理論/計画理論/科学史/都市社会運動/アーバニズム史である。

主要業績
Roskamm, N. (2017): Lethal Density. The Research Field of Crowding in the 1960s and ’70s. In: A. Batista; S. Kovacs; C. Lesky (eds.): ReThinking Density. Culture and Urban Practices. Publication Series of the Academy of Fine Arts Vienna. Vol. 20. Sternberg Press*. S. 252-263.
Roskamm, N. (2015): On the other side of ‘agonism’ – ‘the enemy’, the ‘outside’ and the role of antagonism. Planning Theory, Vol. 14(4) 384–403.

ティム・レイバート

Tim Leibert, Researcher, Department for Regional Geography of Europe, Leibniz Institute for Regional Geography

専門は地理学。東ドイツ、中央・東ヨーロッパの人口が減少している地方部における移住と地域開発、主席が進む都市部における人口増加に焦点を当てて研究を行っている。選択的移住の原因と結果について、多くのプロジェクトに従事してきた。現在は、移住者の人口減少する地方の地域社会への溶け込みについて、質的な方法を用いて調査を行っている。現在の研究テーマは、移住とモビリティ、中央・東ヨーロッパの社会人口統計学な変化について、現在研究を行っている。

主要業績
Leibert, T. 2017: Aktuelle demographische Entwicklungstrends in Sachsen-Anhalt : Licht am Ende des Tunnels im “Labor des demographischen Wandels”? Denkströme 18: 82-107.
Leibert, T., Golinski, S. 2016: Peripheralisation: The Missing Link in Dealing with Demographic Change? Comparative Population Studies 41 (3-4): 255-284.
Leibert, T. 2016: She leaves, he stays? Sex-selective migration in rural East Germany. Journal of Rural Studies 43: 267-279.

マニュエル・ウォルフ

Manuel Wolff, Research fellow, Department of Geography, Humboldt University of Berlin

これまで、ヘルムホルツ環境研究センターにおいて、統合プロジェクト「都市の変容」、ネットワーク型プロジェクト「CIRES – Cities Regrowing Smaller」に従事し、パリ=ソルボンヌ大学、ノッティンガム大学、プラハ・カレル大学でのプロジェクトにも従事してきた。主要な研究テーマは、成長している/縮小している都市における、不均衡な都市の原動力、関連する社会、物理的な都市への影響についてである。特に、都市の傾向、都市と農村の関係性、ヨーロッパにおけるマルチスケールな傾向について、インディケーターの開発やGISでのモデル化を含んだ量的な比較分析を行っている。

主要業績
Wolff, Manuel; Haase, Dagmar; Haase, Annegret (2018): Less dense or more compact? Discussing a density model of urban development for European urban areas. Plos ONE, Vol. 13 (2).
Wolff, Manuel; Wiechmann, Thorsten (2017): Urban growth and decline: Europe’s shrinking cities in a comparative perspective 1990-2010. European Urban and Regional Studies, Vol. 25 (2), pp. 122 – 139.
Wolff, Manuel (2017): Understanding the role of centralization processes for cities – evidence from a spatial perspective of urban Europe 1990 – 2010. Cities, Vol. 75, pp. 20-29.
Wolff, Manuel; Haase, Annegret; Haase, Dagmar; Kabisch, Nadja (2017): The impact of urban regrowth on the built environment; Urban Studies, Vol. 54(12), pp. 2683–2700.

マンフレッド・クーン

Manfred Kühn, Senior Researcher, Deputy Head of Department Regeneration of Cities and Towns, Leibniz Institute for Research on Society and Space (IRS)

カッセル大学において都市、ランドスケープ計画を学び、2010年に博士号を取得。2010年より、Academy for Spatial Research and Regional Planning (ARL)会員。研究テーマは、中小都市の再活性化、縮小・周辺化に対応する都市政策、戦略的都市計画である。

主要業績
Kühn, Manfred (2018): Immigration Strategies of Cities – Local Growth Policies and Urban Planning in Germany, in: European Planning Studies, 25th Anniversary Special Issue. Vol 26, Issue 9: 1747-1762.
Kühn, Manfred (2016): Peripherisierung und Stadt. Städtische Planungspolitiken gegen den Abstieg, Reihe Urban Studies transcript Verlag, Bielefeld.
Kühn, Manfred; Milstrey, Ulrike (2015): Mittelstädte als periphere Zentren – Kooperation, Konkurrenz und Hierachie in schrumpfenden Regionen, in: Raumforschung und Raumordnung, Band 73, Heft 3, Juni 2015, S. 185-202.

マリア・ブドニク

Maria Budnik, Junior researcher, Faculty of urban and regional sociology, University of Applied Sciences Erfurt

専門は都市地理学で、社会的一体性、移住、社会的不均質に焦点を当てて研究を行っている。2013年から2017年に実施されたEU研究プロジェクトである“DIVERCITIES – Governing Urban Diversity – Creating social cohesion, social mobility and economic performance in today’s hyper-diversified cities”において、ドイツ部分を担当した。社会的一体性をどのように維持すべきかというテーマの元に、縮小都市における国内、国債移民と社会的一体性の役割について博士研究を行っている。博士研究は、中小都市を含んだ長期的なケーススタディにより実施しており。

主要業績
Budnik, M., Großmann, K., Haase, A., & Kullmann K. (2016): Sozialer Zusammenhalt, Chancengleichheit und lokales Wirtschaften in einer sozial vielfältigen Stadt. Das Beispiel Leipzig, Januar 2017: Helmholtz-Zentrum für Umweltforschung (UFZ) Leipzig, Fachhochschule Erfurt.
Budnik, M., Grossmann, K., Haase, A., Haid, C., Hedtke, C., Kullmann, K., Wolf, M. (2016): DIVERCITIES: Living with Urban Diversity-The Case of Leipzig, Germany. Utrecht: Utrecht University, Faculty of Geosciences.
Budnik, M., Großmann, K., Haase, A., Hedtke, C. & K. Kullmann (2017): Soziale Heterogenität und Zusammenhalt in Leipzig-Grünau: Wahrnehmungen von Bewohnern und Bewohnerinnen. IN: Altrock, A., Grunze, N. & S. Kabisch (Hrsg.) (2017). Großsiedlungen im Haltbarkeitscheck. Wiesbaden: Springer VS.

アネット・シュタインフューラー

Annett Steinfuehrer, Institute of Rural Studies, Johann Heinrich von Thünen Institute, Federal Research Institute for Rural Areas, Forestry and Fisheries, Braunschweig.

専門は社会学。1999年より2010年までヘルムホルツ環境研究センター勤務。2002年に比較都市研究で博士号取得。2010年より農村研究のシニアリサーチャーとして、ドイツの農村地域、中小都市における人口変化(主に高齢化と人口減少)の影響、社会的不平等、周辺化のプロセス、公的サービスにおけるガバナンスについての研究を行っている。さらに、社会生態学研究・研究手法、学際的アプローチにも関心がある。

主要業績
Steinführer, A. (2018): Vom Wachsen im Schrumpfen. Alterung und siedlungsstruktureller Wandel von Kleinstädten. In: Schmied, D. & Wüstenrot Stiftung (Eds.): Große Dörfer – Kleine Städte. Göttingen: Cuvillier (RURAL; 9), 7–29.
Steinführer, A., Reichert-Schick, A., Mose, I. & Grabski-Kieron, U. (2016): European rural peripheries revalued? Introduction to this volume. In: Grabski-Kieron, U.; Mose, I., Reichert-Schick, A. & Steinführer, A. (Eds.): European rural peripheries revalued: governance, actors, impacts. Berlin: LIT (Rural areas: Issues of local and regional development; 1), 2–27.
Steinführer, A. (2015): Von „Landflucht“ und „sterbenden Städten“. Diskurse über räumliche Schrumpfung in Vergangenheit und Gegenwart. Geographische Rundschau no. 9/2015, 4–10.
Steinführer, A., Küpper, P. & Tautz, A. (2014): Adapt and Cope: Strategies for Safeguarding the Quality of Life in a Shrinking Ageing Region. Comparative Population Studies 39(2), 345–370.
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